オツな映画の楽しみ方。の巻

最恐映画。

俺の映画好きは今に始まったことではない。

小学生の頃にビデオ録画の仕方を覚えてからだ。

世の中の映画すべてを見倒してやろうと思った。

それからは、テレビで放送される映画のほとんどを録りまくった。

俺の住んでいる沖縄は、内地（県外）と違い、チャンネル数が極端に少ない。

ビデオ録画にハマッた当時の地上波は２、８、１０、１２チャンネルの

計４チャンネル。

んなもんだから、内地と比べて、そんなに映画の本数も少ないので

何とかビデオも溜まることなくさばく事ができた。

（つまらない映画と判断すると飛ばしまくったから。）

（ちなみに２chはＮＨＫ総合で、１２chはＮＨＫ教育と、

内地の１chと３chとでは随分と違うので、沖縄から内地に住んだり、

はたまた内地から沖縄に住んだりすると、慣れるのに意外と時間がかかる。

リモコンでチャンネルを変えて、突然現れる

「ザーッ！」という砂嵐を何度見たことか‥。）

その中でも小学生にとっては深夜放送の映画はオモロだった。

お色気シーンの多い映画（これ一番大事。）もあれば、

意味不明の安っぽい宇宙モノや、

王道映画のパロディーモノまで。

一度内地に住んでから分かったことだが、

沖縄の深夜番組は内地の深夜番組と比べると

王道映画（過去の話題作・ヒット作など）が放送される事が多い。

何故かというと、沖縄では２局しかない民放以外の放送局で、

ゴールデンタイムに放送された映画を沖縄では深夜に放送したりするからだ。

なにか大人の事情があるんだろう。

さてさて、テーマから随分と離れてしまった。

ビデオでたくさんの映画を録画したことは先述の通り。

ビデオ録画には寂しい事も付いて回る。

それは

『テープ切れ』

である。

３０分のバラエティー番組の途中でプッツリ画像が切れてしまうのはまぁ

しょうがないとあきらめられるが、

映画だとそうは行かない。

少年時代の詰めの甘さによる

「テープ切れ」

には随分と腹がたったものである。

（自分が悪いのにね。）

古い映画なのに、ちゃんとテープがあればタダで見る事ができた映画を、

お得意の近所のブックボックス与儀店にお金を出してまで借りに行ったこと数知れず。

また、レンタル中だったら遠征なんかもしたりした。

『木村家の人びと』

という映画をご存知だろうか？

鹿賀丈史と桃井かおりが出演する、

ひたすらお金を貯めることだけに奮闘する木村家の人々の姿を描いた

ホーム・コメディであるが、

例に漏れず、この映画もテープ切れで最後まで見る事ができなかった。

ビデオがプツっと切れる前の瞬間を覚えていて、

「あの後はどうなるんだろう？」

と、気になって、なんと小学生から今まで、

たまーに気になって思い出す映画なのである。

そのシーンのことを何回も考えるうちに、

その映画がとても自分にとって大事な、身近な映画に思えてくる。

惰性で最初から最後までダラダラ見てしまうと、

その映画はそれで終わり。

感情移入もほとんどなく、その映画への評価も低くしてしまう。

でも、そんな映画も、途中で見るのをやめてみると

とても面白いものになるかもしれない。

そうするとだんだんあのシーンの後を自分で想像したりして、

楽しむこともできるし、身近な映画に感じることができて、

再度観たときに

あ、こんな展開になるんだー。

と、二度楽しむこともできるから、

こんな映画との付き合い方もアリだななんて思ってしまう。

俺はホラー映画も好きで、結構平気で観るのだが、